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実際に引いてみよう!
最近「推しの子」主題歌である YOASOBI の「アイドル」という曲が流行りましたよね。アイドルは英語で書くと idol です。ここでは英和辞書の使い方の例として “idol” という単語を調べてみましょう。
表記は辞書により若干違いますが構造は共通です。
まず上に「i・dol」とあります。この途中の点は単語の中の音の切れ目を表すために付けられています。つまりidolという単語は i と dol という2つの音に分かれるわけです。これを音節と言います。idol の場合、2つの音節から成るので2音節の単語と言います。
隣を見ましょう。左右の縦棒に挟まれた部分に見慣れぬアルファベットが並んでいます。これは、この単語の発音の仕方を表しています。それぞれの記号がある発音に対応していて、つなげて読むことで idol という単語が正しく発音できるということです。しかし、こんな項目は日本語の国語辞典にはありませんよね?なぜでしょうか。
英語はスペルと発音が対応しない
とりあえず、さらに下を見てみましょう。「!idleと同音」と書いてあります。そこで今度は “idle” という単語を辞書で引いてみましょう。
idle という単語には形容詞と動詞の用法があると書いてあります (ここでは形容詞の意味だけ載せています) 。皆さんも引いてみましたか?ここでのポイントは idle の発音です。よく見ると先ほどの idol と全く同じですね。つまり idol (アイドル) と idle (仕事をしていない) は、スペルも意味も違う別の単語なのに、発音は全く一緒なのです!
次は逆の例を見てみましょう。「使う」という意味の単語 use です。
(・・・中略・・・)
use には動詞と名詞2つの用法があります。もちろんスペルは同じなのですが、実は発音が異なります。発音をそれぞれ見てください。動詞の方は最後が “z” なのに対し、名詞の方は最後が “s” ですよね。動詞「使う」として “use” を用いる時は「ユーズ」と発音し、名詞「使用」として用いる時は「ユース」と濁らず発音するのです。
上の2つの例から何が言えるでしょうか?それは、英語は「発音にスペル」が、「スペルに発音」が対応するとは限らないということです。そのため、英語の辞書には発音記号が見出し語の隣についているのです。
idol の内容に戻りましょう。語源が付くこともあります。idol の語源は「姿, 形」とありますね。語源は英単語の意味をよりよく理解する助けになることも多いですが、また別の記事で紹介しようと思います。
さて、さらに下を見ると「名詞」と書いてあります。これは英単語 “idol” の品詞です。品詞についてもまた別の記事で詳しく解説します。名詞は文の主語や動詞の目的語になります。
「名詞」の右隣には「複 ~s」とあります。英語の名詞には単数、複数という概念があります。名詞は物の名前で、その物が1つなのか2つ以上なのかで表記を変えるのが英語のルールです。しかし、この「変え方」は一通りではなく何種類かのパターンがあります。「複 ~s」が示すのは、idol (アイドル) を複数形で使う (2人以上のアイドル) 場合には “idols” と書きましょうということです。さらに直後には |-z| とありますが、これは先ほどの発音記号で、複数形の “idols” は、元の発音に「ズ」の音をプラスしましょうということです。つまり総合すると、複数形の場合は「アイドルズ」という発音にしましょうという意味です。
この行の一番右には「C」とあります。先ほど、英語の名詞には単数と複数があると言いましたが、実はない場合もあります。それはその物が普通の意味では数えられない場合です。例えば「雪だるま」を表す “snowman” は1つ、2つと数えられますが、雪だるまのもとである「雪」を表す “snow” は数えることができません。なぜなら、雪には明確に1つ、2つと数える単位が存在しないからです。もちろん雪の最小単位である「雪の結晶」は数えられますが、これは英語では “snowflake” と言い別の単語です。結局「雪」は普通の意味では数えられないのです。こういう言葉の切り分け方というのは日本語ではあまり重視されないポイントなので理解しにくいのですが、英語を使う上では重要になってきます。
このように英語では名詞が「数えられる」か「数えられない」かが重要であり、それぞれ英語で “Countable” (数えられる) と “Uncountable” (数えられない) と言い区別します。辞書で名詞を引いた場合には、これらの頭文字をとって、その名詞が “Countable” な場合には「C」と、”Uncountable” な場合には「U」と記してあります。
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